「59歳、ゴミ出し初心者。」
去年の夏、一軒家生活がスタートした。24時間ゴミ出しOKのマンションライフから一転、地域のルールに従う「ゴミ出し新人」になったわけだ。
最初に直面したのは、曜日別のゴミカレンダーだ。「燃えるゴミは火曜と金曜」「資源ゴミは第1、第3水曜」…なんで資源ゴミだけそんな不規則?カレンダーを壁に貼りながら、「これ、テトリスより難しくないか?」と頭を抱えた。
さらに衝撃だったのが、ゴミ出しの「時間縛り」。
「朝8時半までに出してください」
なんて潔い!マンションでは夜中でも早朝でも好きなときにゴミを放り込めたのに、いまやゴミを出すにもスケジュール管理が必要だ。
ある朝、寝坊してゴミ出しに失敗した。部屋に戻ってゴミ袋を見つめる僕。妙に存在感を放つその袋が、「お前、忘れたな」と責めてくる気がしてならない。結局その日1日、ゴミ袋と共同生活を送る羽目に。家の隅で申し訳なさそうにたたずむゴミ袋に、「ごめんね、次は絶対ちゃんと出すから」と謝る僕。もうこれ、ただの恋人未満だ。
極めつけは「近所のおばちゃんジャッジ」。
出したゴミが間違っていると、おばちゃんから直接指導が入る。ある日、ペットボトルのキャップを付けたまま出してしまい、「キャップはプラスチックゴミよ!」と優しくも鋭いお叱り。まるで学生時代の先生に戻った気分だ。
しかし、不便だと思っていたこのルール、意外と楽しい部分もある。朝、ゴミ出しに行くと同じ時間帯に近所の人と軽い挨拶を交わす。「今日はいい天気ですね」「昨日の雨、すごかったですね」なんて他愛のない会話が、思いがけず心地よい。
一軒家でのゴミ出しルールは、自由気ままだったマンション暮らしにはない「規則と地域のつながり」を教えてくれた。59歳、ようやくゴミ袋との真剣勝負が始まった。これからは、ゴミの日だけでもちゃんとした大人でいようと朝の富士山を見ながらふと思う。

明日はいつもの「ワイラニオンライン」です。21時半からzoomで!

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